カラス君と黒猫さん
俺はどちらと言うと友達が多い方の部類に入る。
変わった名前のおかげもあるけど、何より自分の性格だと思う。
いつも顔に笑顔を貼り付けて、皆からの言葉にいちいち答えて、当たり障りの無い返事を返す。
“いい人”
そう言う言葉が似合うと思う。
(美味い・・・・・・・・・・)
俺はすぐ背面にある古びた楽器に凭れ掛けた。
窓を見上げると、空。
嫌味なくらい真っ青な青に目が痛くなって、ソイツにゴミを投げ捨てたくなった。
食べ終わって、立ち上がる。
カラオケは・・・・・・申し訳無いけどサボる。
友人らが満足するような合コンには出来なさそうだし、する余裕も無い。
それに、あの友人の名前も思い出せない位だし。
このまま帰ればバレないはずだ。
俺は鞄を取りに教室に向かった。