カラス君と黒猫さん






「お前は高校生にもなって正しいことと正しくないことも理解できないのか!」

「っ、」




人が少ない、薄暗いロビーに人影。
そこに、そっと覗き込むような形になって、見てみた。




(黒猫さん)




小さくて、丸いシルエットは、黒猫さんだ。

でも、相手は?





「学校がバイト禁止なのは分かっているだろう!どうしても止むを得ない時には、学校側に報告を入れて、許可を得てからだと集会の時に話された筈だ!」

「・・・・・・・・・・・・」


(先生、だな。俺の学校の教師かな・・・・・・・見たこと無いや)




あぁ、黒猫さんバレちゃったのか。
先生さっきまで熱唱してたのに・・・・・・・・・




と、そこで俺の思考は止まった。




俺の担任は帰った。
あれは、4組の担任ではない。





他のクラスの先生?








< 60 / 223 >

この作品をシェア

pagetop