カラス君と黒猫さん
「黒猫さん、黒猫さん・・・・・・・・」
体を揺すれば、明らかに俺と体温が違うのが分かる。
けど、黒猫さんは起きずにまた体に絡み付くだけだった。
(寒い、のかな)
取り合えず、起こさないと。
黒猫さんの頬を軽く叩く。
「・・・・・・・・ん・・・・・・」
眉を寄せ、不快そうな顔をしてから黒い瞳がうっすら開いた。
「くろね、」
「からすくんーっさむい・・・・・・」
何とも舌ったらずな喋り方で、いきなり抱き付いてくる。
あぁ、慣れてしまった体が怖い。
(熱出すと人格ってかわるんだな)
「・・・・・うん。寒いね。お風呂は入れる?」
「・・・・・・・・うん。」
大人しく頷いた黒猫さんをそのまま抱き抱えた。