カラス君と黒猫さん
「何?」
「琴羽って呼んで」
「ことは??」
「うん。」
琴羽?琴羽、ことは・・・・。
黒音、琴羽。
「黒猫さんの、名前?」
「みんな黒猫って言うー。雅も、知らない人まで黒猫って、」
「でも黒猫さん、俺の事カラス君って言うじゃん」
「カラス君はカラスっぽいじゃん」
「・・・・・いや、十分黒猫さんも猫っぽいよ」
「えー」
がしり。
俺は首元に違和感を感じた。
「ん、」
「かーらーすー」
そして、急に視界に飛び込んだのは、ベッドのシーツの白と、それを染めるような黒猫さんの黒髪。
「ねぇ、何してるの」
「頭痛い」
「熱があるからね。」
「寝よう、からすくん」
普段なら見せない満面の笑みを、今日は拝む事が出来た。
え、けど。
「俺も?」
「うん」