カラス君と黒猫さん
(黒猫さん、熱で頭がやられちゃったのかな)
「うあ、熱っ。」
黒猫さんが回してきた腕の熱さに驚く。
「うん、あっつい。」
「何で俺も寝るの?さっき寝た、」
「私ひとりだけ寝るなんていや。」
「はい?」
自分の鎖骨あたりにある、黒猫さんの顔が怪しく笑った気がした。
「からすくんも巻き添えだ」
「は?」
「だから寝よ」
幼稚化プラス小悪魔プラス我儘。
イコール発熱した黒猫さん。
「・・・・・・・・なんか、凄く眠い。ほんと、」
笑った後、黒猫さんは俺の体に頬を摺り寄せてきた。
その目はいつの間にか垂れてきて。
「あぁ、抗生物質が効いてきたのかな」
「あー、眠い」
「寝てよ、ひとりで。」
「おまえもねろ」
「えっ?」
あぁ、本当だ。黒猫さんの目が霞んできた。
人が寝る瞬間って見たこと無いや。
面白い。