カラス君と黒猫さん





「っ、」



ぐっと眉を寄せて、睡魔に耐えようとする幼稚化黒猫さんは何だか新鮮だ。

どうしてもいじめたくなる。


「どうしたの?寝るの?」

「からすが寝たらねる、・・・・・・・!」

「もう黒猫さんが寝そうだね」

「うるさい、」



がくり、と黒猫さんの頭が揺れた。


あぁ、寝るかな。
ん、踏ん張った。


「っむ、」

「寝そうだね、黒猫さん」

「・・・・・・・・っ」


(黒猫さんを苛めれるのって、きっと今だけだ)


どうしよう。物凄く楽しい。



「あ、」

「・・・・・・・・・・・・・・」



とうとう睡魔に耐え切れなかったのか、黒猫さんはがくりと顔を伏せて、動かなくなった。


(寝た、瞬間。)



これ、普段の黒猫さんが見たら怒るかな。
まぁいいか、面白いし。



あぁ何か俺も、黒猫さんを見てたら眠くなってきた。


きっとあれだ、発熱する物体が近くにあると眠気を誘う、あれ。
お、思考回路がおかしくなってきた。




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