カラス君と黒猫さん
「満腹すぎて吐きそう・・・・・ごちそうさまでした。」
「うん。じゃあゆっくり寝ててね」
「カラスも」
「何で?!」
台所に空き皿を置きに行く。
もう2時過ぎかぁ。
「寝ーよーうー」
「一人で寝てよ。第一、俺が寝る必要無くない?」
「あるよ、温かい。」
「黒猫さんは冷え性なのかな」
「やっぱ人の生肌が一番温かい」
「俺、湯たんぽじゃないよ」
黒猫さんが欠伸をする。
あぁ、移るからやめてほしい。
「黒猫さん、具合はどう?」
「ぐあい?寝たら楽になったよ」
「そうなの?さっきより重たい顔してるけど・・・・」
「元からです」
「そうでなく!」
もそもそと布団に包まる黒猫さんの首に触れてみる。
「熱は少しだけ下がったけど、体の中に篭ったって感じだよね」
「そう?」
「じゃあ、おやすみ。あ、そうだ。黒猫さん、家ってどこらへ・・・・・」
ぐい。
ベッドに腰掛けたまま、腕を引っ張られる。
バランスを崩して、しまった、と思った。
黒猫さんが潰れる、と思って咄嗟に手をつく。