カラス君と黒猫さん
□凋落
□ □ □
そして朝。
「・・・・・・・・本当にごめん。迷惑掛けて」
「いやいや。勝手に黒猫さんを連れてきたのは俺だし。いいよ、そんな。」
「そしてあんまり覚えてない。昨日の事。私失礼な事してないよね・・・?」
「うん。何もしてないよ。」
(幼稚化してたけど・・・・・・・)
「・・・・・・・・それならよかった・・・・・。」
目の前の黒猫さんは、もう通常通り元気だ。
本当に一晩寝ていただけで治ってしまった。
まず、自分がしている格好(シャツ一枚)について聞かれたけど、まぁそれは黒猫さんが勝手にした格好だから。
昨日の事は殆ど記憶に無いらしい。
それもそれで良かった。
「家、どこ?送るよ」
「あ、大丈夫。
・・・・・・・・いややっぱ大丈夫じゃない。まずこの家がどこだかも分からなかった」
「そりゃそうだね。もう歩ける?」
「うん」
「じゃあ行こうか」
俺は、携帯と財布をズボンのポケットに突っ込んだ。