問題山積み
下を向いたがゆえに髪は乱れ、目は涙で潤んでいる。


「…おかしーい…」


めちゃくちゃな自分の姿に、自嘲が込み上げた。
笑いながら、私は手を洗って口をゆすぐ。
今まで辛い思いをして食事制限をしていたのは何だったんだ？
食べたもので拡張した胃袋はまだ膨らみを感じるものの、すぐに縮みそう。
好きなもの、美味しいものを沢山食べても、栄養にしなきゃいいだけの話じゃない。
どうして気付かなかったのかなあ、私。
こうすることを知っていたら、最初から苦労なんてしなかった。
綺麗になった手を備え付けのペーパータオルで拭き、手櫛で髪を直す。
鏡の中の私は、まだ笑っていた。















トイレから戻ると、圭君が席で会計を済ませた後だった。


「次、行こ」


店のセレクトもオーダーも退店のタイミングも、全て圭君任せ。
それって結構ラクなんだよね。
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