問題山積み
女の子同士だと、どうしたって「どうする?」の繰り返しで、なかなか話が進まない。


「お会計、いくらだった?」

「いーって、そんなもん」


圭君が大きな手を横に振る。
本当はそのリアクションが予想できていたけど、必ず聞くのが奢って貰う側のマナーだって、昔ファッション誌で読んだから。
いつものやりとりってわけ。
心も身体もすっかり軽くなった私は、


「いつもご馳走様です」


頭を下げ、圭君の隣にぴたっと寄り添ってその手を握った。
冷たい手。慣れ親しんだその手に、今はやけにどきどき鼓動が走る。















その日を境に、私の食生活はがらりと変化した。
切り詰めに切り詰めた食事の量は僅かながら増し、食べたいものは食べるようになった。
「あ、食べ過ぎちゃったかも?」と思った時に、帳尻合わせるかの如く吐き出す。
そうすると、まず間違いなく翌日の体重に響かなかった。
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