問題山積み
それによって、段々と毒されているのだとしても。


「…有難う」


貧困なボキャブラリーに、拙い言葉遣い。
馬鹿っぽいと思わせるだけで、きっと、星羅は私なんかよりずっと賢い。
賢くなければ、星羅の世界では生きていけないのだと思う。


「ね、結衣。明日は仕事?」

「ううん、お休み」

「それなら、朝まで一緒にいよう」


星羅の誘いの意味することなど、検討はつく。
ああ、私、餌付けされてるんだなって。
それを察することができても、無邪気に笑う星羅にはどうしたって勝てない。








END.
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