問題山積み
会社の外で、坂崎を待っていたんだ。
大学を卒業したばかりだという若いその子は、コンサバな服装できゃぴきゃぴした雰囲気を纏っていた。
ふーん、坂崎ってこういう女の子が好きなのかーなんて漠然と思った。
申し訳ないけど、料理が下手と言うのも、なんだか頷ける。


「あーあ、女って全員料理できるもんだと思ってた」


先に食事を終え、空の弁当箱をビニール袋に入れながら、溜息をつく坂崎。
辛気臭いなあ、もう。


「そんなのは偏見」


男の考える女らしさなんて本当にくだらない。
そんな男に捕まるくらいなら、独り身でこうして自由にしていた方が気も楽だね。
自分の稼いだお金を好きなように遣ってるんだもん、誰にも迷惑なんて掛けていない。
カードの返済は苦しいけど、別に借金してるわけでもないし。
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