問題山積み
膝の上でも、かさかさは止まない。
小動物にとっては、車の振動も堪えられないのかもしれない。


「怖くないよ、大丈夫」


ついうっかり紙袋(の中の紙箱の中の黄色の子)に囁いてしまい、バックミラーに怪訝そうな運転手の顔が映っている。
少し恥ずかしくなって、私は俯いた。
このまま家までタクシーで帰ったら、きっと運賃で私の有り金は綺麗さっぱり消え去るだろう。
でも、まあ、いっか。
今日はとても有意義な買い物をした。
明日、また頑張って稼げばいいだけじゃないか。
明日の出勤前にワンピースは買えないけれど、明日の帰りに買えばいい。
ブルガリのカラーストーン?
そんなの、パレンテシとこの子を買ったばかりの今はもう、あんまり欲しくない。









END.
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