問題山積み
にこにこと愛想をふりまきながらも、店のバッグの中身をひょいひょいとベッドサイドに並べていく。


「ぜーんぜん!まだ10代だって言うし、いやあ、いい子が来てくれた」

「あら。じゃ、次もあたしを呼んで下さいね?」


ベッドの淵に腰を下ろし、小首を傾げて、上目遣い。
目の前のこの人――会員カードにはトシさんと書いてある――は、嫌いじゃないはず。
私の過去の経験が、私自身にそう囁く。


「そうだねぇ、是非」


彼もまた私の横に座り、優しそうな目で舐めるように私を見た。
うーん、風俗慣れしてるなあ…。


「それじゃ、あたし、セーラー服に着替えますねっ。トシさんがシャワー浴びてる間に」


スムーズにお客さんの名前を呼べるようになった辺り、スムーズにシャワーへ誘導できるようになった辺り、いよいよ私もこの業界にどっぷり漬かってきたと実感する。














90分というのは長いようで案外あっと言う間。
マニュアル通りのことをこなしていれば、プレイ前にセットしたタイマーがすぐに鳴り響く。
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