問題山積み
アイラちゃんはそう言って、事務所へと入っていった。
うちの人気嬢だ、きっと23時まで指名でいっぱいに違いない。
あれだけ可愛い子とイイコトができるんだったら、私が男でもお金出しちゃうよ。
マフラーを巻き直し、駅へと向かう。
通り掛かったセブンイレブンに飾ってあるツリーが視界に入り、あと数週間でクリスマスだということを思い出させた。
クリスマスくらい、友達と過ごそうかな…。
それか、実家に帰るか。
仕事は嫌いじゃないけど、クリスマスは休みたい。
そう思う辺り、まだ自分が全て感化されてない気がした。
櫻木 杏里(さくらぎ あんり)――数日間誰かから本名を呼ばれていないと、本当に自分が何者か忘れてしまいそう。
もうじきこの仕事を始めて、1年が経つ。










END.
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