問題山積み
重たそうに足を引きずりながら、自分の席に戻る奈々。
ご愁傷様と、その背中に心中呟いた。
そこで私は、今月まだ生理が来ていないことに気付く。















昼休みに学校の近くの薬局で買ったのは、一番安い妊娠検査薬。
それを持って、学校のトイレに入る。
何度かこういう経験があるから、学校で妊娠チェックをすることに抵抗は全くない。
はは、エグいなー私。
そして検査結果を待つこと1分。
――お、良かった良かった。今回も妊娠してないみたい。
…と、いうことは、もう何日かで生理来るよね。うん。
一人で納得し、そして安心する。
生理不順って本当に面倒臭い。
こうやって余計な心配するんだもん。
避妊するかしないかは相手の男に任せてある。
この前のエリート君は、エリート君の癖にコンドームをつけなかった。
とにもかくにも、妊娠していないことが分かった私は、ご機嫌で妊娠検査薬を汚物入れに捨てた。
妊娠検査薬は手痛い出費。


「気をつけなくちゃ…」


私は教室へと戻る。
それでも、堕胎費用に比べたらまだマシか。
先月奈々が堕ろした時の金額を聞いたのを思い出し、ぶるっと身震いをした。










END.
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