問題山積み
もう11時だしね。お姉ちゃんは明日も朝早くから仕事だしね。


「梓、あのねー」


石鹸を泡立てる私の背後に、お姉ちゃんの声が近い。
嫌な予感がした。


「なに?」


真後ろにお姉ちゃんが立っていることも気付いていたけど、私は知らんぷりで背を向けたまま石鹸を流す。


「明日、バイトだっけ?」

「休みだけど」


私、7日連勤しましたよ?
それも毎日昼過ぎから夜まで。
過労死させる気か馬鹿姉。
そう言えないのは、正社員とフリーターの立場の違いです。
あーあ、日本がもっとフリーターの立場が強い国になればいいのに!頼むよ首相!


「そう。じゃ、明日の夜、一緒にここのカフェ行こうよ!私の仕事の後にさ」


横目でお姉ちゃんを見やれば、お姉ちゃんはさっき読んでいた雑誌のカフェ特集のページを指して、満面の笑み。
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