問題山積み
お姉ちゃんの言うカフェは、お姉ちゃんの職場の近くにあるみたい。
私は溜め息をついて、


「一人で行けば?」


言っても無駄だと分かっていながら、一応、そう言ってみた。


「えっ?何で?明日デートとか?」


私に彼氏がいないのを知っている癖に、その一言。
そのことを忘れてるだけなのかもしれないとは言え、私の神経を更に逆なでしたことに変わりはない。


「別に。ただ、私を連れていく程でもないじゃん」


本当は相手にするのも面倒臭かったが、つい会話しちゃうんだよね。実の姉だからかな。
私は手を拭くと、冷蔵庫の中からスポーツドリンクのボトルを出し、口をつけた。


「だってね、明日同期の子達は合コンなの。私は亮(りょう)君に合コンは禁止されてるし。それに、今『ここ行きたい!』って思ったのに、急に誰か誘うなんて…」


お姉ちゃんの言い方、内容、全て苛々する。
亮君とは、お姉ちゃんの彼氏のこと。
何度かうちにも遊びに来たことがあったが、銀行員の亮君は誠実そうな人だ。
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