問題山積み
だから私はテレビを流しながら、置きっぱなしにしてあった雑誌を手にした。
お姉ちゃんが昨日読んでいた雑誌。
コーヒー片手に中を開くと、二人のモデルがそれぞれ「頼れる先輩OL」「可愛がりたい後輩OL」という真逆の役を演じ、それらしいファッションや着回しを披露している。
先輩OLの方はいかにもキャリアウーマン調のパンツ、後輩OLの方は甘いコーディネートのスカートをメインとしていた。
お姉ちゃんは、さながら後者だ。
25歳なんだから、「先輩」の方になってもいいはずなのに。
それでもお姉ちゃんは、「後輩」の方しか目がいかない。
頼れる存在になろうともしない。
誰かに頼りたいだけなんだ。


「ほんと、馬っ鹿みたい」


昨日から何度も思っていたそれが、お姉ちゃんがいないこの部屋で、ようやく言葉になった。
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