問題山積み
なんでもかんでも亮君が付き合ってくれるお姉ちゃんは、恵まれすぎているんだよ。















1日のんびりだらだら過ごした夜、お腹が空いてふと思う。
お姉ちゃん、何時に帰ってくるんだろう…。
あの様子じゃ、行きたがっていたカフェには行けない。
真っすぐ帰ってくるのかな。それとも、別の友達やなんかとご飯食べて帰るのかな。
メールすればいいのに、なんとなく癪でそれができない。
もう少ししたら、牛丼でも食べに行こう。
安いし、お母さんが置いていってくれたお金が浮くから、私のお小遣にしちゃえ。
そう思って、テレビのチャンネルを変えたその時。


「ただいまー」


間延びした声が、玄関から聞こえた。
お姉ちゃんのお帰りだ。
勿論私はお出迎えなんてしない。
ソファに寝そべったまま、リビングに入ってきたお姉ちゃんに、


「お帰り」


と、テレビから目を離さず無機質に言葉をかける。
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