問題山積み
それでも不思議で仕方ないのは、そのままお姉ちゃんが真っすぐ帰ってきたこと。
昨日「行きたい」と言っていたカフェに願い叶って行けたのなら、そのままそこでお茶したかっただろうに。


「夕食、食べてこなかったの?」

「梓が家にいると思って、帰ってきたんだ」


私の質問の答えとしては些かおかしいそれに、私は首を傾げる。
お姉ちゃんも知っての通り、私は一人でも構わない。
全く気にせずスーパーの値引きされたお弁当だって買えるし、現にお姉ちゃんが帰ってこなければ牛丼屋に行こうとしていた。
なのに、お姉ちゃんは、


「晩御飯一人で食べるの、つまんないでしょ?一緒に食べよう」


そう言って、にっこり笑った。
いつだって自分のことしか考えていなくて、自分が痛くないように生きているお姉ちゃん。
私への気遣いも、その一環に過ぎないのかもしれない。
そうは言っても、自分の行きたい場所を放り出して妹の為に帰ってきたということには変わりはなくて。
お姉ちゃんはやっぱり馬鹿だ。






END。
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