問題山積み
今日明日くらいでまた頑張れば、大丈夫、すぐに戻る…大丈夫、大丈夫。
自分を慰めるように、私は何度もそう言い聞かせる。
少しだけ気持ちが落ち着くと、今日の残酷な数値をブログに記録すべく、枕から顔を離してテーブルの上の携帯に手を伸ばした。
その瞬間、指の先で着メロが鳴る我が携帯。


「…圭(けい)君じゃん」


サブディスプレイには、合コンで知り合った社会人の圭君の名前が存在を誇張するように光っている。
電話か。なーんか、気乗りしないなあ…。


「もしもーし」


明らかにやる気のない私の声色。
それでも屈しないのが圭君。
これが社会人の余裕ってやつ?


『亜樹、何やってんのよ?』


ほら来た、この軽い口調。
そんなところが圭君の魅力でもあるんだけどさ。
圭君は女好きで、ちゃらちゃらした人。
おまけに、それなりに顔がいい。
だから大概の女の人は引っ掛かるんじゃないかな。
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