問題山積み
色々言ってもちゃんと気が利くその対応に、何故か私が誇らしく感じる。


「僕は朝から仕事なんですけどお」


唇を尖らす新倉さんは、到底30歳手前には見えない。














宴もたけなわ、でももうそろそろ帰りますかという時に、隣に座っていた村田さんが突然ふらっと私の肩にもたれ掛かってきた。
パーマを緩くかけた短い髪の毛が、私の首筋をくすぐる。


「村田さん?大丈夫ですか?」

「んー…飲み過ぎたかもお」


呂律の回っていない村田さんの顔色は、酔っ払っているとは思えない程に飲み始めの時と変化がない。
眼だけが、とろんとしている。
確かに村田さんがビールを飲み干すペースはかなり早かった。
尤も、自他共に酒豪と言い張る村田さんはいつも誰よりも飲む量が多いから、その女性とは思いがたい飲みっぷりが、いつもと違うということに誰も気付かなかった。
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