問題山積み
女の子なんて、殆どがそんなもんじゃない?


「あー、すっきりしたっ!」


村田さんの清々しい声と共に勢いよくトイレのドアが開いて、私ははっと我に返る。
壁にぴったりくっついていた背中に振動が走った。


「大丈夫ですか?」


さっきからそれしか言えない私に、村田さんは平然と、


「アルコールなんてね、吐いて出しちゃえばリセットされんのよ。『苦しい!』って思ったら、自主的に出しちゃうの」


さらっと言ってのけた。
あまりにシンプルすぎて荒々しい解決策に、そういうものなのかなあと疑念が浮かぶ。
私はそんなにお酒飲まないし、周りの友達も下戸ばかり。
圭君や有村さんも、嗜むくらいしか飲んでいない気がする。


「村田さんって、豪快な生き方してますよね…」


ハンカチで手を拭いている村田さんに、目上だということも忘れて私は思わずそうぼやいてしまった。


「そう?もうちょっと飲めるよ、私」

「いやいや、もう帰りますから」


この期に及んでまだ飲もうとするなんて、とんでもないな!
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