問題山積み
ご機嫌で新倉さんと有村さんの元に戻る村田さんの後ろ姿を見つめ、私はただただ呆れるばかり。














電車で帰るのは新倉さんと村田さんだけで、私と有村さんは駅に背を向けて歩き出す。
元々、“そういう関係”になってしまった由縁は私達の家が近いことからだった。
私が半年前からこのバイトを始めた時、既に有村さんは働いていて、上がりの時間が一緒の時は一緒に帰っていた。
そしていつの間にか…ってやつ。
有村さんの彼女は家が厳しく、門限があるとかで、有村さんの家にはまず泊まらない。
それゆえか、近所に住んでいる癖に、彼女に出くわしたことは幸いにも1度もない。
見たくもないからちょうどいいや。


「村田さん、あんな状態でよく平然と帰っていったね。びっくりしたよ、俺」


青白い街灯の下、有村さんが笑った。
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