問題山積み
『でさ、お前今晩飯行こうよ』
「今晩?」
『そう。こないだ俺、亜樹に拒否されちゃったもーん』
圭君が私に暇かどうかを聞かずに誘ってきた辺り、その誘いは絶対なんだと察した。
強引な圭君は嫌いじゃない。
自分のことをそこまで必要としてくれているのがよく分かるから。
それに、なんとなく、圭君に会いたい。
圭君の連れていってくれるお店はいつもお洒落だし、そういうお店で浅黒くて彫りの深いイケメンの圭君と食事をするのは気分がいい。
「うん、行きたいっ」
『お、珍しいな。亜樹が乗り気なのは』
圭君の声のトーンが上がった。
私は圭君の前ではそっけない女の子を演じているから、圭君が珍しいと感じるのも無理はない。
だって、圭君に気がないふりでもしなくちゃ私が圭君に遊ばれているみたいになっちゃうじゃん。