恋も仕事も、
その日の夜、私は健人を近くのバーに呼び出した。
健人とは高校の時からの友達だ。
仕事の愚痴も、恋愛の相談も、なんでも言い合える唯一の男友達だ。
「ごめん、待った?」
私が先にお酒を飲み始めていると、健人が慌ててやってきた。
「ううん、大丈夫。それより、ごめんね。土曜日なのに呼び出しちゃって。」
「大丈夫、大丈夫。今日、合コンだったんだけどどうも合わなくてさ。ちょうど抜ける口実が出来たからよかったよ。」
健人はそう言って笑った。
健人は昔からよくモテる。
よくモテるんだけど、特定の彼女を今まで1度も作ったことがない。
1度なんで?っと聞いたことがあったけど、その時は上手にはぐらかされたような気がする。
健人はジン・トニックを飲みながら私の失恋話を聞いてくれた。
「最近、やけに冷たくて。なんとなくおかしいなーって思って聞いてみたら浮気を告白されちゃった。私より3つも下の同じ会社の女の子なんだって。それでね、どうするの?って聞いたらその女の子と付き合うから別れて欲しいって言われちゃった。3年も付き合って結婚の話も出かけてきてたのにね。――――こんなふうになるなら、気づかないふりしてたほうがよかったのかな…。」
健人とは高校の時からの友達だ。
仕事の愚痴も、恋愛の相談も、なんでも言い合える唯一の男友達だ。
「ごめん、待った?」
私が先にお酒を飲み始めていると、健人が慌ててやってきた。
「ううん、大丈夫。それより、ごめんね。土曜日なのに呼び出しちゃって。」
「大丈夫、大丈夫。今日、合コンだったんだけどどうも合わなくてさ。ちょうど抜ける口実が出来たからよかったよ。」
健人はそう言って笑った。
健人は昔からよくモテる。
よくモテるんだけど、特定の彼女を今まで1度も作ったことがない。
1度なんで?っと聞いたことがあったけど、その時は上手にはぐらかされたような気がする。
健人はジン・トニックを飲みながら私の失恋話を聞いてくれた。
「最近、やけに冷たくて。なんとなくおかしいなーって思って聞いてみたら浮気を告白されちゃった。私より3つも下の同じ会社の女の子なんだって。それでね、どうするの?って聞いたらその女の子と付き合うから別れて欲しいって言われちゃった。3年も付き合って結婚の話も出かけてきてたのにね。――――こんなふうになるなら、気づかないふりしてたほうがよかったのかな…。」