開国維新の洋魔戦記
虎が飛び上がって手代木に襲いかかってきた。


手代木は虎をかわして逃げた。


虎は体勢を立て直すと、襲いかかる準備動作で背中を丸めた。


手代木の頭の中で声がした。



『おい。

虎に手枷をかみ切らせろ』


『一体、この前から俺の頭に声だけさせて、何者なんだ』



『今、説明している場合じゃないだろう。

いいから、俺の言うとおりにしろ』


『…』


『俺が一瞬だけ虎の動きを制御してお前の手枷をかみ切らせる。

お前は、手枷を前に出しておけ、


一度だけだからうまくやれよ』



再び、虎が口を開けて飛びかかってきた。


手代木は目を避けながら、手枷を突き出した。


虎は手枷を食いちぎった。


手代木は虎の腹に潜り込んで攻撃をかわした。
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