とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




ベットに寝そべって雑誌を見て居るとノックが聞こえた。



右京はドアに向かって「どーぞ」と言うとまた視線を雑誌に戻す。



「どうだったの?面接行ったんでしょ!?」



妙にテンションの高い忍が右京の隣に擦り寄り、彼の顔を覗き込んだ。



右京は雑誌のページを捲りながら「行ったよ」と答える。



…もう既に思い出したくないけど…



「…それだけ?もっと何かないの?」



「ないわけじゃないけど…あのクソ親父に連れ回されて散々だったんだよ!!」



イラついた右京に忍は首を傾げた。



その仕草が可愛くて、右京は少し癒される。



「…もっと癒してよ、忍~」



コツンと頭をくっつけて甘える右京に忍がクスクスと笑った。



「どうしたの?話、聞くよ?」



「…大丈夫。俺、負けねーから。」



右京は忍のこめかみに軽くキスをして、また雑誌に目を向けた。



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