とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
二人は店内で涼みながらカゴにビールやらおつまみやらを入れていく。
「アイス、食べたくない?」
「じゃあ、食いながら帰ろうか。」
レジを済ませ、近くの公園のベンチでアイスを食べながら二人はくだらない話で盛り上がる。
…たまにはこういうのも悪くない…。
右京は何気ない出来事すら忍と一緒だと楽しかった。
先に食べ終わった右京がゴミ箱にアイスのごみを捨てて居ると、後ろから忍の「痛っ」という声で振り返った。
「どうした?」
「今なんかが…顔に飛んで来た…」
頬を押さえる忍を覗き込む。
「忍…見せてみ?」
そっと忍の手を退かすと頬に一筋の傷が出来ていた。
「…!?…何が当たった?」
「わかんない…見えなかったし…」
…“見えなかった”…
最近良く聞くその言葉が妙に引っ掛かる。