とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『あ!クロウ!』
突然向こうの方からビキニ姿のサラに呼ばれて右京は顔を上げた。
『よぉ、サラ。マイクは?』
『知らないわよ、あんな女ったらし…!』
サラはチラッとマイクを睨んでプイッと顔を反らした。
そして、サラはわざとマイクに見せ付けるように右京の隣に座るとベッタリくっついた。
右京はムッとしているマイクが可笑しくて、あえてサラの小芝いに乗ってやる事にした。
『アイツめちゃくちゃ妬いてるぜ?』
『いい気味だわ!』
そう言ってから『あら?』とナオミの存在にやっと気付いた。
『ナオミじゃない…珍しい。今度はクロウ狙い?』
『えっ?…今度は?』
ナオミが焦り気味に『違う、そんなんじゃない』と騒いでいるのを見て右京はやっと“そういう事か”と理解した。