とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



『サラ、挑発し過ぎ…』


『ゴメン、ゴメン!…あの女嫌いなのよ…ちょっと美人だからって!多分“男は皆思いのまま”だとか思ってるのよ!』



『男に限らず人はそんな簡単に操れないから!』



右京の言葉にサラは『そうね』と笑うとマイクにチラッと視線を向けた。



『そんな簡単だったら悩まないよね…』



どうやらこの二人にも色々あるらしい。



右京は小さく溜め息を着くと『サラ…』と彼女を真っ直ぐ見つめた。



『後悔するような生き方はしない方がいい。気持ちに正直に…な?』



『ぷっ…パパみたい!』



ケラケラと一頻り笑うと彼女は右京に『ありがとう』と言って立ち上がった。



『あ…そうそう。ナオミなんだけど、一度狙った獲物は逃がさないらしいわよ?気を付けてね!』



じゃあねと去って行く彼女を眺める。



彼女がマイクに話し掛けると、彼は嬉しそうに目尻を下げた。



『…まぁ、アイツは単純だけどな…』



マイクがサラを引き寄せてキスをするのを見て、右京はホッとするとシートに横になった。



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