とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




夏の暑さは体力を容赦無く奪う。



右京は海で皆と散々騒ぎまくり、アパートに帰って来た時には酷く身体が重かった。



以前ならここまで疲れを感じる事は無かったのだが…。



『運動不足かな…?』



そのままベットに倒れ込み瞼を閉じた。



…夢を見ていたような気がする。



内容が思い出せないが、夢の中で自分は何かを叫んでいた…



そして目が醒めた時、言い様のない不安に苛まれる。



…なんだろう、この感じ…。



気付けば全身汗だくで、自分がうなされていた事が判った。



幾分軽くなった身体を起こし、バスルームに向かう。



『マスター…。うなされてましたが、大丈夫ですか?』



『ああ…大丈夫。夢を見たらしい…よく覚えてないけど…』



ポンポンと頭を撫でてバスルームへと入って行く主人を、バジリスクは心配そうに見つめていた。


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