とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



虎太郎はまるで心を覗くかのように右京を真っ直ぐ見る。



『…右京。君が恐れているのは彼等が巻き込まれる事じゃなくて、“彼等を巻き込む事”だよ。』



『…俺が…悪魔と対峙するのを望んでると…?』



右京は言い返す事が出来なかった。



『…そうかもしれない…』



…だからあの時も俺は…ロッズが現れるのを待ってたのか…?



虎太郎は右京を責めるでもなく、ただいつものように優しい笑みを浮かべていた。



『ひとつ聞きたいんだけど、P2の皆は右京にとってなんだ?』



虎太郎の問いかけは、啓示と言っても過言ではなかった。



『彼等は…“仲間”だ。』



右京がそう答えると、虎太郎は満足そうにニッコリと笑った。




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