とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




アランは正直困惑していた。



態度にすら出さなかったが、この元·熾天使の男…右京の話が自分の想像を遥かに超えた次元の話だったからだ。



『…もう一度内容を整理しよう。…つまり、クロウの話だと、先日のロッズが頻繁に出没していたのが“マスティマ”の仕業だって事かい?』



『おそらくな。』



『…何故直ぐに言わなかった…?そんなに俺達が信用出来ないか?』



横からそう言ったのは最年長のダンだった。



ダンは右京を少し不満を含んだ眼差しで見据える。



『…混乱させたくなかった…けど、間違ってたと気付いたよ…すまなかった。』



珍しく歯切れの悪い右京にダンは溜め息を着く。



『まぁまぁ!クロウだって色々悩んだと思うぜ?俺だったら多分言わなかっただろうしな。』



ロイのフォローにアランも『そうかもな』と頷く。



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