とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



アランはいつもの調子で静かに語る。



彼の話だと、バチカン組織…つまり騎士修道会には諜報部員も居るらしく、そこからの情報では閲覧不可な死海文書の解読に成功したらしかった。



『問題はここからだ。
…バチカンがこの報告を受けた直後から、その諜報部員と連絡が途絶えた。』



…えっ?



『…それって…』



『まさか、“消された”とか言わないよな?』



『………』



無言のアランに代わってダンが右京達にこう言った。



『たとえば、解読された内容が世に知られたくない物だったら?』



…つまり…“口止め”?



『おいおい…そんなヤバい案件、受けたのかよ!?』



思わず愚痴るロイにアランは『受けたよ?』と言って退けた。



『マジか…』



『ああ。興味深い案件だろ?』



アランらしい答えに右京達は何も言い返す言葉が無かった。



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