とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
そして自分のすべき事は他にあるのだと思い直す。
…マスティマとはまだだ…。
その前にまずはその内容だ。
ニックが上手いことそれを入手出来ていれば話は早い。
『…そういえば、忍のやつ、妙にノリノリだったな…』
ニックはビビって危険な事はしないだろう。
だが忍は別だ。
彼女は意外と度胸もある。
もしかしたら突っ走ってしまうかも…
そう考えて右京はまた不安になって来た。
右京は窓の外に目を向けながら首のロザリオを弄ぶ。
『どうか大人しくしてて…』
ブツブツと呟く右京は、隣のビジネスマンに不審そうに睨まれ居心地の悪さを感じた。
仕方なく目を閉じてみたが全く寝る事は出来なかった。