とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



ニックの助言の元、インターネットで公開されていない箇所を探す。



忍は座りっぱなしで腰に痛みを感じ、暫しロビーのベンチで休憩を取る事にした。



『…ふぅ…』



天井を見上げ、だらしなく足を伸ばす。



『動くな。』



突如真後ろから聞こえた声に身体が硬直した。



その声の主は忍の口を手で塞ぐ。



バクバクと跳ね上がる心拍数。



…どうしよう…!



未だ内乱の続くこの国では、こんな所でも危険なのかと考えていると彼はクスクスと笑い出した。



…この声って…



彼がそっと手を放したので忍は恐る恐る後ろを振り返った。



「…右京…!」



「あははは…驚いた?」



安堵の息と共にベンチにヘナヘナと座り込む忍を右京が覗き込んだ。



< 140 / 476 >

この作品をシェア

pagetop