とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『…なんで右京が居るわけ?』
『アンダーワーク。…つか、メール見てないわけ?』
『メール!?…見てない…あ~びっくりしたぁ~!』
脱力した彼女を抱き上げ膝に乗せると、右京はムッと口を尖らせた。
『おい、こら!散々心配させやがって!』
キョトンとして右京の肩に手を添えたまま忍は首を傾げた。
『…なんの事…?』
『すっとぼけるな!なんで真っ先に俺に言わない!?』
『ああ…急いでたし、ちゃんと後で言ったじゃない。』
『いつも忍は“事後報告”なんだよ!』
…言えば反対するから“事後報告”なんじゃない…
だが、結果的に右京のメールを無視して来てしまった事が後ろめたくて忍は素直に『ゴメンね』と謝った。