とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



それでも半眼で睨む恋人に忍は困惑した表情をした。



「あ…謝ってるじゃない!」



「…“とりあえず謝っとけ”…みたいな感じだな…」



「ちがっ…!ちゃんと悪いと思ってるよ!」



ふーんと含みのある返事をすると右京はニッコリと笑った。



「ちゃんと態度で示して。」



「どうやって…?」



「それはお前が考えろよ。反省してんだろ?」



「………」


忍は黙って右京の首に抱き付くと耳元で「ゴメンね」と優しく囁いた。



「…ちゃんと今度から俺に話して…?」



「ん…ちゃんと話す。」



「…心配なんだよ…」



「ふふ…心配性だもんね?」



そして、忍の後頭部を軽く引き寄せて「キスして…」と右京が囁いた。



忍は甘い右京の言葉にちょっと酔わされる。



繰り返し何度も口付けて「大好き」と小声で言ってみた。



右京はちょっと照れながら「俺の方が大好きだよ」と歯の浮くような言葉を忍に返した。



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