とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『…ダメ元で当たってみるか…ニック、忍と一緒に考古学庁に取材許可を取れるか?』
『…マジで言ってんのか?』
『マジだよ。まずは内部の様子が知りたい。』
『…もしヤバい事態になったら?』
『護衛を付ける。…潤。』
静かに魔方陣から現れた潤は『はい』と優雅に頭を下げた。
『忍達に着いて行け。…姿は見せるな。』
『御意。』
『お前は?』
『資料と一緒にP2から設計図が送られて来た。地下から潜入する。』
『ええっ!?…だ、大丈夫なの!?』
『大丈夫だよ。無理はしない。』
一通り作戦を立て、大学の図書館を出た。
右京はニックに『諜報部員の一件は忍に話すな』と耳打ちした。
『言えねぇよ!』
『それを聞いて安心したよ。…じゃあ、空港に21時集合だ。ああ、本部への報告も忘れんなよ!』
右京は忍の頬に軽く触れ、「無茶すんなよ?」と釘を刺すと足早に去って行った。