とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
◇
忍とニックが考古学庁の取材許可が降りた頃には、もう陽は半分沈み辺りが薄暗くなっていた。
この国で夜に外を出歩くのは危険で、人影はほとんどない。
『…わざとだな…』
『何がです?』
『考古学庁だよ。わざと取材許可を遅らせたんだ。』
暗くなってからならこちらが諦めるとでも思ったのか、それ以外の理由か…。
どちらにせよ、その時間は研究員も少なくなるだろから、多少動きやすいかもしれない。
忍には諜報部員が消された事は伏せ、『マスティマを追っている』とだけ知らせた。
『マスティマってそんなに謎な悪魔なんですか…?』
『そ、そうなんだ!文献のほとんどに記載がなくて、死海文書の一部にそれがあることが判明してね?でもあれって古代文字が多いから俺じゃ読めないし…だからこうやって…』
『はいはい、わかりましたから!』
べらべらと喋り始めたニックに、忍は“もういい”と言いたげなうんざりした表情をした。
忍とニックが考古学庁の取材許可が降りた頃には、もう陽は半分沈み辺りが薄暗くなっていた。
この国で夜に外を出歩くのは危険で、人影はほとんどない。
『…わざとだな…』
『何がです?』
『考古学庁だよ。わざと取材許可を遅らせたんだ。』
暗くなってからならこちらが諦めるとでも思ったのか、それ以外の理由か…。
どちらにせよ、その時間は研究員も少なくなるだろから、多少動きやすいかもしれない。
忍には諜報部員が消された事は伏せ、『マスティマを追っている』とだけ知らせた。
『マスティマってそんなに謎な悪魔なんですか…?』
『そ、そうなんだ!文献のほとんどに記載がなくて、死海文書の一部にそれがあることが判明してね?でもあれって古代文字が多いから俺じゃ読めないし…だからこうやって…』
『はいはい、わかりましたから!』
べらべらと喋り始めたニックに、忍は“もういい”と言いたげなうんざりした表情をした。