とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『興味深いですね…どちらに聞けば判りますか?』
単刀直入過ぎる忍にニックは蒼白になった。
『えっ?…いや、どうでしょう…研究員…かな…?』
『今は居られないんですか?』
食い下がる忍にニックは彼女の腕を引っ張る。
『お、おい!無理には失礼だろ!?』
『ニック…それでもジャーナリストですか!?』
…ジャーナリストでも命は惜しいよ…。
さすがに広報担当の前でそうは言えない。
返す言葉に詰まるニックはこの局面をどう乗りきるか、頭をフル回転させた。
『…ちょっと聞いてみます…お待ち頂けますか?』
予想外の広報担当の言葉にニックはヤバいと感じた。
当の忍はどや顔で目が『私、やりました』と言っている。
彼が部屋を出て行くとニックは忍に『何してんだよ!』と怒りを露にした。
『こ…殺されるかも…』
『なっ!?…どうして!?』
驚く忍に問い詰められ、ニックは事情を説明せざるを得なくなった。