とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『…ビンゴ…』
独りニヤリッと口角を吊り上げ、右京は地下から這い上がった。
お目当ての研究セクションは3階らしい。
が、建物の廊下に出てすぐ近くに数名の警備員が見えた。
壁の案内図を見て自分が居る位置が警備室の脇だった事に気付く。
…にしても多すぎるな。
定時を過ぎたはずなのに警備が厳重過ぎる。
何かを警戒しているかのような…。
とりあえずここは危険だと判断し、少し窮屈だが通気口に入る。
幸いエレベーターまでは近かった。
出来るだけ音を立てないように進み、エレベーターエリアまで来ると軽快に壁を蹴り上がる。
『…よっ!』
身体を捻って3階の通気口に潜り込むと近くの金網部分から館内の様子を伺った。