とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



堂々と歩く右京だったが内心は冷や汗モノだった。



さっきは何とか切り抜けたが、次も上手くいくとは限らない。



…早いとこ死海文書の内容を調べないと…。



右京は“第三研究室”と書かれた部屋の前で立ち止まると、小窓から誰も居ない事を確認し中に忍び込んだ。



部屋の一画にPCが2台あり、足早に近付いて電源を入れる。



キーボードを操作してファイルを表示させる。



が、肝心な死海文書のフォルダは見付かったがロックが掛かっていて開けない。



『…やっぱりね。』



右京はこんな事もあろうかとロイから預かったUSBメモリーをポケットから取り出した。



中身はもちろん、ロイご自慢のハッキングプログラムだ。



彼の話だと2分もあればだいたいのセキュリティは解除出来るらしい。



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