とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
まだかまだかと待って居ると、急に廊下が騒がしくなって来た。
『…コード“901”だ…!』
『なに!?…何処だ!?』
『ギャラリーらしい!』
バタバタという足音と共にそんな会話が聞こえた。
…コード“901”?…なんだろう…
─…ピーッ!
ハッキング完了を知らせる機械音に再び視線を画面に戻す。
フォルダを開き、死海文書の莫大なファイルの一つをクリックした。
『ちっ…暗号化されてる…』
仕方なく右京はフォルダごとコピーをし、操作履歴を削除するとUSBメモリーをポケットに仕舞った。
PCの電源を落としながら内線電話の近くにあったコード表を目で追う。
─【901】“不審者発見”
『………はぁ…なるほど…』
情況を理解した右京は溜め息と共に部屋を出ると、ギャラリーを目指して走り出すのだった。