とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
ここの研究員として潜入していたマイヤーは何故消されなければならなかったのか…?
…口止め…?
だが、もしそんなに秘密にしなくてはいけないなら、解読プロジェクト自体を極秘にすれば良かったのではないか?
死海文書は全文インターネット公開してるし、マイヤーも海外の考古学研究室からの派遣らしいし…。
ふと忍は死海文書のレプリカである展示物に目を向けた。
『…ニコール…死海文書って実際何巻あるんでしょうか…?』
『急にどうしたんだい…?』
『いえ、何か腑に落ちないんですよ…』
もし、マイヤーが消された理由が他にあるとしたら…?
忍は口元に手をあてながら考え込んだ。