とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



『その3つは誰の手に渡ったんです?』



『古物商人だ。まぁ、そこからエルサレムの考古学者に渡ったんだけど。…面白いのはここからだ。』



数年後、大主教は教会の資金繰りに困り、その死海文書を売ることを決断した。



『そして、偶然にもその売出広告を見たのが、残りの3つを持っていた考古学者の息子だったのさ。』



『…凄い…!何かそれだけでもロマンがありますね!』



『だろ?…でも、その死海文書が全部で7つだったと言ったのは最初に見つけたベドウィンの3人だ。』



その話にどれだけの真実味があるのかを考えると、疑わしい点もある。



う~んと唸る二人はドアの向こう側が騒がしくなってハッと顔を上げた。



< 162 / 476 >

この作品をシェア

pagetop