とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
忍は本格的に自分達がヤバい事を悟った。
…どうしよう!捕まるか、最悪は…
そう考えて足が震えた。
─バンッ…!
突然入口のドアが勢い良く開き、忍とニックはビクッと同時に飛び上がる。
『…ったく!潤の奴、後でしばいてやる…!』
何故か頭からびしょ濡れの右京が現れ、二人は一瞬ぽかーんとその光景を眺めた。
『う…右京!?…良かったぁ~…』
『良くない!…見ろよ、このザマ…!』
ブツブツと文句を言いながら、頭を振って銀髪から水を飛ばす。
『…どうしたの!?』
『潤の奴がスプリンクラーをぶちまけたんだよ!…俺も居るのを判っててな…!』
…それでずぶ濡れなのか…
忍は『それより…!』と右京に詰め寄った。