とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




警備室を出たバラクが3階に着いた時、その異変に気付いた。



先に駆け付けているだろう部下の姿が見えない。



バラクは無線を手に取ると、『おい、どうなってる…!』と声を荒げた。



雑音に混じって微かに声が聞こえる。



…なんだ?…ギャラリー?…ギャラリーに居るのか?



ゆっくりと警戒しながら廊下を進むバラクの前に、異様な光景が飛び込んで来た。



辺り一面水浸しで、数名の部下がぐったりと気を失っている。



『おい…!大丈夫か!?』



うっ…と呻き声を上げる部下に眉を寄せる。



『一体何が…?』



バラクが視線を廊下の先に向けると数名の部下が何やら叫んで居るのが見えた。



言い様のない緊張を覚え、バラクはゴクリと唾を飲み込んだ。



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